少女は、酷く泣きそうな顔で言い放った。


大人になんてなりたくない。



少女は、男の子になりたかった。
けれど、神様といったらとんでもなくドケチで、彼女の願いなんか叶えてはくれなかった。
寧ろ、耳を貸しすらしなかった。
(まぁ、なんて意地の悪い人!)(人ではないのだけれど。)

でも、少女はどうしても男の子になりたかった。
だって少女が恋をしたのは女の子だったから!(素敵!)

彼女ったら、頑張って恋人までありつけたの。
だけど、やっぱり男の子になりたかった。

そしたらその娘の手を引いて、教会の牧師さんの前で誓いのキスするの。みんなの祝福を受けながら!
愛してるって、誓うの。なんて素敵なのかしら!

だけど、彼女の体は女の子。いくら心を男の子にしても、体が女の子じゃ意味がないの!
それに、あの娘だっていつかは気付いてしまうわ。
人間は家庭とか言う不思議な単位で群れていること。
そのためには結婚なんていう道を通ること…


ああ、なんてこと!


この日本とかいうちっぽけでゴミのような国のこれまた屑の集まったような集団が作った法律?とか言う馬鹿馬鹿しい決まりで彼女たちは無惨にも引き裂かれてしまう!(そんなのかわいそう!)


心が通じ合っててもどうにもならないことが在るなんて、酷いわ、酷すぎる!

少女は毎晩怯えながら考えた。どうしたら、あの娘と離れずに一生を終えることができる?
離れ離れなんて嫌。
ずーっと一緒にいたいのに!(だれよ、アダムとイヴなんて種類に分けた馬鹿は!)(性別なんか二つ持たせればいいじゃない!)
だけど結局答えはでない。

そんなある日


少女はふと考えた。
大人にならなければいいのに!現実逃避もいいところ。けれど彼女は止まらない。
大人になって気付いてしまうなら、子供のままで良い。素敵な考えね。
鳥肌が立つわ。
ネバーランドへ直行!

案の定あの娘には笑われてしまったけれど。(だって現実味が無さ過ぎる!)





だけど、彼女は本気だったの。














大人になって、失うものが増えるなら、大人になんて、なりたくない!










(常識なんて、グチャグチャに壊してしまいたいくらい、)(少女はあの娘を愛してる!)








This story is fiction…But in little real…







*私はこんなもんじゃ悩まないから!(性別なんて関係ない。愛さえあれば、)(法律だって犯して見せる!)



(2008*01*12執筆) 青野ヒカリ